
新型コロナウィルスが、世界的に広がっています。マスクやエタノールなどの消毒剤もなかなか手に入りにくい状況です。そうした状況で空調家電の役割、家や職場など屋内の空気をキレイに保つ家電が有効なのか検証します。
空気中に漂う有害物質、その大きさは?!

空気中に漂う有害物質にはハウスダスト、花粉、細菌、PM2.5、ウィルスの浮遊物、タバコの煙、ペットなどのニオイがあります。どれも人間から見ると非常に小さいものですが、それぞれサイズ&性質が違います。
1. 花粉、ハウスダスト
サイズ:10μm~100μm(μm=0.001mm) 大きい分、それなりに重いです。このため、他の浮遊物に比べて比較的短時間で地面、床に落ちます。
2.細菌、PM2.5
サイズ:0.5μm~10μm このサイズになると、軽いのでなかなか床には落ちてくれません。
3.ウィルス
サイズ:0.02μm~0.5μm 軽いので空気中に漂い続けます。
4.タバコの煙、ペットなどのニオイ
サイズ:1μm以下 化学元素、分子の集合体、空気中に拡散されます。

横軸は大きさで左から電子顕微鏡で見える範囲~光学顕微鏡で見える範囲、肉眼で見える範囲を示しています。ウィルスは 電子顕微鏡で見える範囲~光学顕微鏡で見える範囲に位置します。

人間の髪の毛の太さを水色の大きな円だとすると、花粉、ハウスダストは下の濃い水色の円、ウィルスは 濃い水色の円 内の黒い点となります。
空気清浄機で除去できるものは?!
一般的な家庭用空気清浄機で、使われているフィルターは、「HEPA(ヘパ)フィルター」といわれるものです。


「HEPAフィルター」は、High Efficiency Particulate Air Filterの略で、空気を濾すためのフィルターです。1940年第2次大戦中ににアメリカで放射性物質飛散防止用に開発されました。家庭用に転用される前は半導体製造のクリーンルーム用などで用いられていた高性能フィルターです。
日本工業規格(JIS規格)では、「定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と規定されています。このため、0.2μm以下のモノは捕集できません。
また、これだけ網目が細かいと、すぐに目詰まりを起こします。
このため、メーカーの多くは、このフィルターの手前に、プレフィルターを付け、大きな浮遊物はここで捕集、本フィルターの負担を軽減しています。
HEPAフィルターの寿命
家庭用空気清浄機のフィルターの寿命は、日本電機工業会のJEM1467規格で初期圧力損失が2倍になった時(空気清浄機の能力が50%にまで低下した時)に交換する事になっています。要するに、目詰まりして風が半分しか通らなくなった時が寿命と言う事です。
メーカー発表も、まちまちで2年~10年と幅広く。要するに、使用頻度、使用環境によって左右されます。寿命10年の根拠は「他の浮遊物がない環境で、一日にタバコを5本吸った場合のフィルター寿命が10年」とのこと。
これは現実的では無いですね。家の中では料理もするし、ホコリやカビもありますから・・・
この結果現実的には、
・HEPAフィルターの寿命は通常使用で最大でも2年まで
・寿命間近の空気清浄処理能力は、新品時の50%程度
ということです。
HEPAフィルター 使用上の弱点
HEPAフィルターにはその性質上極端に寿命を縮める弱点があります。
「油煙」油を含んだ煙
家庭では焼肉、や魚を焼いたときに出る煙、ろうそく、線香の煙、タバコの煙ですね。
キッチンの換気扇フィルターは油でベトつきます。
それと同じことで、油煙は粘度が高くフィルターにしっかりと食い付いて溜まっていきます。
タバコの煙も、同様にヤニ(タールなど)でベトつきます。
キッチンの近くや、焼肉パーティ時に空気清浄機使用はHEPAフィルター寿命を縮めます。
カビや雑菌
空気清浄機は空気の掃除機ですから、その紙パックにあたるフィルターにはカビやバクテリアや病原体等の雑菌も集まって来ます。こうした微生物は適度な温度と湿度と養分があればどんどん増殖して行きます。
稼働中は、絶えず風が吹き抜けていますから比較的湿度は低いのですが、内部はモーター等の廃熱があるので室内よりも温暖です。また有機物の粉塵も集まって来ますから養分にも不自由しません。
つまり空気清浄機の内部はカビや雑菌が十分繁殖できる環境にあります。
加湿機能付きの空気清浄機は、この対策がされているか確認する必要があります。
ウィルスへの対応
ウィルスは細菌と違い、生物の最小単位である細胞がなく、細胞膜がありません。
細胞膜がないため外部の刺激に対して非常に弱いのですが、とても小さくて、フィルタリングしにくいです。
空気清浄機のフィルターでは、捕えにくいのですが一部イオンを発生させてウィルスを減らす効果のある空気清浄機があります。
シャープのプラズマクラスターは、化学活性により、イオンがウィルスに当たるとウィルスはやられてしまいます。パナソニックのナノイーなども同様の効果を持ちます。空気清浄機に付いているイオン発生機は、フィルターに依存することなく対ウィルス効果の可能性があります。
「ジアイーノ」は空気清浄機ではない?!
パナソニックの「ジアイーノ」。正式名称は「次亜塩素酸 空間除菌脱臭機 ジアイーノ」。

photo by amazon
空間除菌脱臭機…聞き慣れない商品カテゴリーです。
「ジアイーノ」は、もともと医療や介護の現場、保育園などで業務用として使われていました。
「空気清浄機」というのは、チリやホコリを集めることが目的ですが、「ジアイーノ」はそうではありません。次亜塩素酸の除菌や脱臭力で「きれいな空気」を室内にもたらすのです。パナソニックはそれを「空気を洗う」と言っています。
次亜塩素酸ってなに?
次亜塩素酸とはプールや哺乳瓶、水道水の除菌などに使われている除菌成分のことです。
「ジアイーノ」に水道水と塩タブレットを投入すると食塩水になります。その食塩水が電気分解され「次亜塩素酸」が生成されるのです。
汚れた空気を吸引し、次亜塩素酸が浸透した除菌フィルターで汚れた空気を除菌・脱臭します。そして、キレイになった空気と一緒に揮発した次亜塩素酸が放出されます。
つまり、菌やウイルスのフィルター除菌+次亜塩素酸放出で滅菌のダブル効果です。
こういった優れた除菌力がありながら、有機物と反応した後は水に戻るという性質があるため、安全性も認められています。
ただ、喫煙環境で使うのはNG。タバコのヤニで本体内部が汚れたり、性能の低下を招いたりするおそれがあるからだそうです。
塩素と聞くと安全性に疑問を感じる人もいるでしょうが、ジアイーノに使われている塩素は少量なので安全。保育園などで業務用として使われている実績もあり、安全に注意して研究を重ねた結果、進化して家庭用が発売されました。
新型コロナウィルスに「ジアイーノ」は有効か?!
パナソニックの公式サイトでは下記のように書かれています。
未だ新型コロナウィルスの正体がわからない現状では、こうゆう表現しかできないですし、薬機法により特定ウィルス(インフルエンザやノロウィルスなど)に関しての効果は公表できません。
*「薬機法」・・・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の総称。
ただし、次亜塩素酸の試験データを発表しています。次亜塩素酸がウィルスに有効なデータです。
[試験機関] (一財)北里環境科学センター [試験方法] 約18畳の居室で、室内中央と室内奥に置いたシャーレに付着させたウイルス数を測定
[抑制の方法] 次亜塩素酸 空間除菌脱臭機(F-MV4100)を風量「強」・電解強度「強」運転で実施
[対象] シャーレに付着した1種類のウイルス
[試験結果] 約12時間で99%以上抑制
[試験番号] 北生発2019_0058号
まとめ
直近の発表では新型コロナウィルスの大きさは0.4~0.5μmらしいです。この大きさだとHEPAフィルターでも充分捕集できます。外出できずに屋内にいることが増える状況。空気清浄機での予防も手段のひとつです。








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